税関・規制

同人グッズを海外販売する前の権利確認|自作・二次創作を分ける5項目

同人グッズを海外販売したい人へ。自作・依頼作品・二次創作を分け、公式ガイドライン、販売範囲、記録を出品前に確認する順番を整理します。

EIJIの著者イメージEIJI
オリジナルの小物と権利確認メモを机上で照合する海外販売前の準備

確認日: 2026年7月26日。

自分で絵を描き、自分でグッズへ仕上げたなら、そのまま海外へ販売してよいのでしょうか。迷いやすいのは、作業を自分でしたことと、絵・キャラクター・ロゴ・素材を販売に使う権利があることが別だからです。

短い答えは、「自作だから大丈夫」と一括りにせず、使った要素ごとに出どころと許可範囲を確認する、です。すべて自分の創作なら次の発送確認へ進めます。既存作品をもとにした二次創作、依頼したイラスト、購入素材、公式ロゴなどが入る場合は、権利者の公式ガイドラインや契約でグッズ化・販売・海外向け掲載まで認められているかを見ます。

この記事は、日本から個人で小規模に海外販売する前の確認順を整理するもので、個別の法律判断ではありません。権利者や対象国によって扱いが異なるため、条件が読めない、許可範囲が曖昧、権利者が複数いる場合は、出品を保留して権利者または知的財産に詳しい専門家へ確認してください。

最初に4つへ分ける

「同人グッズ」という呼び方だけでは、権利関係は分かりません。まず、商品に使った絵柄、文字、写真、ロゴ、フォント、型紙を次のどこへ置けるか確認します。

作ったもの 最初に見る証拠 海外出品へ進む前の判断
絵・文字・模様をすべて自分で作った 元データ、制作日、使用素材一覧 第三者のロゴや素材がなければ次の確認へ
別の作家へ依頼した 依頼文、契約、利用許諾 グッズ化、販売、海外、掲載画像まで含むか確認
既存作品のキャラクター等を描いた 権利者の公式ガイドライン 商品種別、販売場所、数量、営利条件、地域を照合
公式画像・ロゴ・スクリーンショットを使った 権利者の利用条件、個別許諾 明確な許可が確認できなければ使わない

文化庁は、著作物の複製、譲渡、翻案や二次的著作物の利用には、原則として著作者の了解が必要と案内しています。また、二次創作については、権利者が定めたルールやガイドラインを確認するよう示しています。販売は個人的に楽しむ範囲とは異なるため、作品への愛情、少量販売、利益が小さいことだけを許可の代わりにはできません。

1. 商品を構成する要素を1行ずつ書く

完成品だけを見て「自作」と判断せず、部品へ分けます。たとえばアクリルキーホルダーなら、主絵柄、背景模様、文字、フォント、ロゴ、台紙、商品写真です。ポーチなら、布柄、型紙、タグ、刺しゅう図案、撮影用の小物まで確認します。

次のような3列メモで十分です。

要素 出どころ 販売利用の根拠
花の絵柄 自分で制作 元データと制作日を保存
日本語・英語フォント 購入素材 商品利用と画像掲載の条件を保存
イラスト 作家へ依頼 海外販売を含む利用許諾を保存

無料素材も「無料だから商用利用できる」とは限りません。クレジット表記、販売物への使用、加工、再配布、利用地域の条件を、配布元の規約で確認します。素材ページのURLだけでなく、確認日と規約の写しも残しておくと、後から条件が変わった時に説明しやすくなります。

2. ガイドラインは権利者の公式発信へ戻る

二次創作では、イベントの慣習、SNSの投稿、印刷会社が入稿を受け付けた事実を、権利者の許可と混同しないことが大切です。探す順番は、権利者・作品公式サイト、公式の二次創作ガイドライン、利用規約、問い合わせ先です。

確認する語句は次の5つです。

  • グッズ化または商品化を認めているか
  • 有償頒布、営利利用、売上上限などの条件があるか
  • オンライン販売と海外向け販売を含むか
  • 使用できないロゴ、公式画像、作品名の見せ方があるか
  • 著作権表示、説明文、リンクなど指定があるか

「同人活動を認める」とだけ書かれ、海外の通販サイトや国境を越える発送まで読めない場合は、都合よく広げず保留します。国内イベントでの頒布条件と、常時公開される海外向け商品ページは同じとは限りません。

3. 依頼作品は作家名だけでなく利用範囲を見る

イラストを依頼して代金を支払っても、著作権や利用範囲が自動的にすべて移るとは限りません。少なくとも次を文章でそろえます。

  • どの絵を、どの商品へ使うか
  • 商品画像や告知画像へ掲載してよいか
  • 販売先の国・地域と販売ページ
  • 数量、期間、追加製造の扱い
  • 作者名の表示方法、改変や翻訳の可否

以前SNSアイコン用に依頼した絵を、許可範囲を確認せず商品へ転用しないようにします。共同制作なら、誰が何を作り、誰が出品し、問い合わせや販売停止が必要になった時に誰が連絡するかも残します。

4. 「日本で売れた」と「海外へ出せる」を分ける

税関は、著作権、商標権などを侵害する物品を、関税法上、輸出してはならない貨物として取り締まると案内しています。一方で、権利者から輸出の許諾を得た物などは知的財産侵害物品にはならないとしています。

そのため、海外向けページを公開する前に、権利確認と発送確認を別々に行います。

  1. 日本側で、商品を作り販売する権利を確認する
  2. ガイドラインや契約が海外販売・輸出を含むか確認する
  3. 販売サイトの知的財産ルールと出品国設定を確認する
  4. 宛先国の輸入条件と配送会社の禁制品を確認する
  5. 商品説明、写真、税関告知の内容を一致させる

梱包や一般的な禁止品は、文庫本や小物の水濡れ・折れ対策海外発送で最初に確認する禁止品リストの見方へ分けます。この記事だけで梱包と通関まで決めないでください。

5. 出品時点の確認記録を1つにまとめる

出品後に確認し直せるよう、商品ごとにフォルダを1つ作ります。入れるのは、商品写真、元データ、素材規約、公式ガイドライン、依頼時の許諾、確認日、販売ページの写しです。個人的な連絡先や未公開情報は、公開用ファイルへ混ぜず安全な場所で管理します。

判断を止める条件も先に決めます。

  • 公式ガイドラインが見つからない、または対象作品か分からない
  • 国内頒布だけか、海外販売も含むか読めない
  • 依頼した作家との利用範囲が文章で残っていない
  • ロゴ、公式画像、第三者素材を外せない
  • 販売サイトから権利確認を求められても根拠を出せない

1つでも当てはまるなら、商品ページを非公開のまま保留します。少量だけ試すことは、権利確認を小さくする方法にはなりません。

今日やるのは「商品1点の素材表」

販売予定の商品を1点だけ選び、絵柄、文字、フォント、ロゴ、写真、型紙を1行ずつ書いてください。その横に「自作」「依頼」「素材」「既存作品」のどれかを付けます。

すべての行に、販売利用の根拠を置けたら次へ進みます。1行でも根拠が空欄なら、今日は出品せず、権利者の公式ガイドラインか依頼契約を確認する日です。海外販売の最初の一歩は、発送ラベルを作ることではなく、商品を売る権利を説明できる状態にすることです。

Next action

読み終えたら、まずこれだけ

候補品ごとに、発送会社の禁止品リスト、税関・規制、販売先ルールを公式情報で確認するためのメモを残します。

Sources

参考にした情報